営業パパの副業せどり実録|1年間の挑戦とリアルな学び【失敗から見えた本質】

3.副業記録

営業歴30年のパパが副業でせどりに挑戦した理由

「そろそろ副業も考えないとな…」

50代に入り、家族の教育費や老後資金を見据えて、収入の柱をもうひとつ作りたいと思うようになりました。
とはいえ、本業は法人営業。副業にあまり時間は割けません。
そんな中で選んだのが「せどり」でした。

  • 比較的少ない資金で始められる
  • 自分の裁量で時間を使いやすい
  • Amazonという巨大な販売プラットフォームを活用できる

最初は「とりあえず経験を積もう」と、小さくスタートしました。

せどりの種類

ひとくちにせどりといっても、手法によって様々な種類があります。

店舗せどり店舗に行って仕入れる
電脳せどりネットショップで仕入れる
楽天ポイントせどり楽天経済圏の中でポイントを駆使して仕入れる
ブランドせどりブランド品を仕入れる
中国輸入せどり中国からネットショップで仕入れる

それぞれの手法で一長一短はありますが、私は店舗せどりに挑戦しました。ジャンルは日用品や家電。ホームセンターやドラッグストア、家電量販店をまわって商品を仕入れるせどりです。

用意した軍資金と利益目標

店舗せどりに挑戦しようと準備した資金は100,000円です。

最初の目論見は、利益率10%で月利が10,000円。

そこから最終的には月利50,000円を目指してスタートしました。

1年間のせどりの結果 

店舗せどりを1年間継続しましたが、撤退することにしました。

撤退理由は以下のとおりです。

  • 在庫やせどり資金管理がうまくいかず利益を出せなかった
  • せどり資金が確保できなかった(思ったように増やせなかった)
  • 店舗をまわり続けることに限界を感じてしまった

Amazonという巨大プラットフォームで販売できるので価格が安ければ確実に売れます。とはいえ当然ながらライバルも多く価格競争に巻き込まれます。利益を確保しつつ早く売る。せどりを始める時点で分かってはいたつもりでしたが、いかに安く大量に仕入れられるかがせどりビジネスの肝です。

副業せどり1年間のリアルな実績

年月 仕入れ 売り上げ 粗利(FBA手数料引き後) 粗利率 経費 営業利益
2023/3¥27,469¥43,287¥5,93713.72%¥10,554-¥4,617
2023/4¥13,109¥21,596¥1,4356.64%¥10,554-¥9,119
2023/5¥19,244¥29,155¥8512.92%¥10,554-¥9,703
2023/6¥35,433¥70,869¥10,35314.61%¥10,554-¥201
2023/7¥15,269¥33,856¥6,91920.44%¥10,554-¥3,635
2023/8¥21,411¥35,659¥1,9215.39%¥10,554-¥8,633
2023/9¥21,434¥44,053¥7,77117.64%¥10,554-¥2,783
2023/10¥25,033¥59,251¥16,01827.03%¥10,554¥5,464
2023/11¥35,696¥53,162¥9,35217.59%¥10,554-¥1,202
2023/12¥20,307¥34,978¥2,8008.01%¥10,554-¥7,754
2024/1¥38,761¥85,147¥12,98215.25%¥10,554¥2,428
2024/2¥25,867¥58,437¥12,26921.00%¥10,554¥1,715
平均¥24,919¥47,454¥7,38415.56%¥10,554-¥3,170
合計¥299,033¥569,450¥88,608-¥38,040

利益がでているつもりだったけど、実際は経費を差し引くとマイナスになっています。

売上や粗利はあるものの、毎月発生する固定費(約1万円)が営業利益を圧迫しています。

見落としていた“経費”と“キャッシュフロー”の落とし穴

特に厄介だったのが【固定費】と【資金繰り】です。

毎月かかる固定費

  • Amazon大口アカウント:5,900円/月
  • リサーチツール:1,980円/月
  • keepa:3,164円/月
  • 梱包材・交通費:500円〜1,000円前後

👉 固定費約10,000円以上かかる状態

👉 商品カテゴリーにより手数料変動(5〜15%)

資金繰りの難しさ

せどりを始めてみて、最初に感じたのは「売れているのにお金が残らない」という不思議な感覚でした。売上は立っているし、Amazonの売上管理画面にも数字は並んでいる。けれど、クレジットカードの引き落とし日が近づくたびに「ヤバい、残高が足りないかも…」と焦る。

その理由は単純明快。資金の動き(キャッシュフロー)を捉えておく意識が低かったからです。

本業では、営業として「受注をとる」ことが仕事の中心です。仕入れや納品、さらには入金管理などは経理や管理部門が担当してくれているため、販売数や粗利ばかりを追っていればよかった。

でも副業は違います。あたりまえですが、すべて自分で管理しなければならない。

  • 商品の仕入れにクレジットカードを使い、
  • Amazonで売れたら数週間後に入金があり、
  • その入金の前にカードの引き落とし日がくる――

この流れを把握していないと、たとえ「利益が出ているはず」の商品でも資金ショートを起こしてしまいます。

在庫が売れ残っていれば当然キャッシュは戻ってきませんし、利益率が低い商品ばかりだと仕入れ資金に対して回収できるお金もわずか。どんどん手元の資金が目減りしていきました。

なぜ失敗したか?営業パパが出した結論

正直なところ、「せどりって売れさえすればお金が増えていくもの」だと思っていました。ところが実際に1年間続けてみて、手元のお金は減っていた。

その原因を自分なりに整理して出した結論は、たったひとつ。

「数字を雑に扱っていた」から。

営業として30年近く法人相手に仕事をしてきたけれど、本業では「売上」「利益」までを追えばよかった。資金繰りや入金管理、在庫管理は、経理や財務の専門部署がやってくれるから、そこまで考える必要がなかった。

でも、副業は違う。

  • 仕入れにいくら使ったのか?
  • いつ売れて、いつ入金されたのか?
  • 利益はいくらで、経費はどれくらいかかっているのか?
  • 手元にいくら残っているのか?
  • 在庫はいくらあるのか?

これらを全て自分で正確に把握していないと、利益が出ているつもりでも実は赤字ということになる。

しかも、Amazonせどりは「売上=利益」ではありません。販売手数料、FBA手数料、保管手数料など、見えにくいコストが多く、売価の10%〜30%がごっそり引かれます。加えて、月額のセラーアカウント料やリサーチツール、梱包資材費などの経費も地味に効いてきます。

売上の推移だけを見て「うん、まあまあ売れてるな」と安心していたけど、**本当に見るべきは「営業利益」と「キャッシュの動き」**でした。

やってよかった!得られた学びと副業への視野の広がり

せどりは結果として大きな利益は残せませんでしたが、「やってよかった」と胸を張って言える経験でした。

まず、リアルな商売の流れを肌で感じることができました。仕入れ→出品→販売→入金という一連の流れを、自分一人で責任を持って回す。このサイクルを何度も繰り返す中で、「どうすれば売れるか?」「どうすれば在庫を減らせるか?」を常に考えるようになり、商品を見る目が自然と養われていきました。

実際、1年程度店舗にリサーチに行っているとリサーチするポイントが分かってくるようになりました。

また、数字管理の重要性も痛感しました。仕入れ額と売上だけでなく、FBA手数料や月額固定費、在庫回転率、キャッシュフロー…。今までは会社の中で別部署がやっていたことを、自分で全部やらないと回らない。仕入れ商品と販売実績は毎月集計していましたが、キャッシュフローの管理が甘かった。この体験は、今後どんな副業に取り組む上でも必ず活かせる“土台”になると思っています。

さらに、副業仲間との交流も大きな学びでした。YouTubeのお金の教養チャンネル「リベラルアーツ大学」のオンラインコミュニティー、「リベシティ」のせどり仲間と情報交換をしたり、成功事例を聞いたり、悩みを共有したりすることで、「副業=孤独な戦い」ではなく、仲間と励まし合いながら成長していける場所なんだと実感しました。

店舗でリサーチすること自体も、宝探しの感覚で楽しくできていました。

せどりに挑戦したことで、副業の世界がぐっと身近になり、「自分にもできるかも」という感覚が芽生えました。そして今、新しい副業にチャレンジしようという気持ちになれたのは、この経験があったからこそだと感じています。

せどりの誤解とリアル 転売ヤーとの違い

世間の声
世間の声

でも、せどりって結局転売ヤーなんでしょ?

せどりと転売ヤーの違いは分かりにくいですよね。実店舗でも転売目的防止のために数量を制限していたり、最近では任天堂のswitch2の転売対策が話題になりました。

私自身、switch2が欲しかったのですが抽選に外れて購入できませんでした。そんなときにメルカリなどで定価より高値で販売されているのを見ると腹立たしく感じていました。

せどりも転売に違いはないのですが、うまく言語化できない。。

そんなときにYouTubeのリベ大で両学長が解説されていた内容が非常に納得感のあるものでした。

せどりと転売ヤーの違いは「流通を助けているかどうか」

転売ヤー:みんなが欲しいものを大量に買い占めて、高値で転売 →欲しい人のもとに商品が届かない→流通を助けていない。 消費者の反感を買う。

せどり:店舗の在庫処分品を安く仕入れ、適正価格で販売 →欲しい人のもとへ商品が届く →店舗は在庫処分品を販売できる →お客様は商品を適正価格で購入できる →せどらーは売上を獲得できる  →三方良しのビジネスモデル。

この考え方に私は深く納得しました。せどりはあくまで流通の一端を担う、正当なビジネスモデルなのだと理解できたのです。

まとめ

1年間のせどりの副業を通じて商売の全体像を自ら体験できたこと、せどり仲間との交流は非常に価値があるものでした。

なかなか成果に結びつけることができませんでしたが、Amazonで商品を販売する経験を通してAmazonの仕組みを理解することができた結果、個人でAmazonで商品を購入するとき、店舗でのお買い物のときにせどりの経験(安く買う)が活かされていることを感じます。

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